いわゆる“はやり目”はアデノウィルスの感染症で、強い結膜炎を生じます。お子さんでは風邪症状を合併することがあり、プールで感染することがありますので、プール熱とも呼ばれています。夏の結膜炎と思われていますが、季節に関係なく流行します。
症状は眼瞼の腫れ、目やに、強い充血、耳前リンパ節の腫れや痛みなどです。稀に角膜に潰瘍を形成することもあります。乳幼児では、膜状物が生じることもあります。

[1] 強い感染力
この結膜炎で問題になるのは、その名の通り、強い感染性があることです。家庭内や学校、職場、最近では老人保健施設での集団発生が起こります。

[2] 治療
ウィルスに対して有効な薬剤はほとんどなく、ステロイド剤の点眼や細菌の混合感染予防の為の抗生剤の点眼などです。

[3] 感染予防
発症したらとにかく他の人への感染を予防することが重要です。学校や職場は治癒するまで休みましょう。手指は水道の流水でよく洗い、薬局で販売している消毒用アルコールで拭きます。学校や職場の机や備品も消毒が必要です。家庭では、必ずタオルは別のものを使用し、入浴は感染した方は最後に、洗濯も別に、といったことが必要です。

[4] 合併症
結膜炎の症状が治まっても、まぶしい、かすむ、といった症状が残ることがあります。これは角膜の表面に小さな点状の濁りが生じたために起こります。長期に混濁が残ることもあり、十分な治療が必要です。