人が物を見るときに片方の目が目標の方向を見ていて、もう片方の目が目標と違う方向を向くというのが斜視です。例えば、正面を見たとき、右目がまっすぐ前を向いているのに対して、左目が違う方向(内側や外側)を向いてしまいます。大人になってから斜視になることもありますが、生まれつき斜視にかかっていることが多いので、患者さんのほとんどが赤ちゃんや子供です。
斜視になると、ずれている方の視力は発達せずに弱視になることがあります。逆に片方だけ極端に視力が悪いと、その目が使われないために斜視になることもありますので、専門医に診てもらうことが必要です。

斜視は目の位置によって、内斜視、外斜視、上斜視、下斜視に分けられます。

●内斜視
黒目が内側に寄っているものを内斜視といいます。
内斜視は生まれつきの場合と、遠視が強いために目が内側に寄ってしまう場合の2種類が考えられます。遠視の場合は眼鏡で矯正することで治せますが、生まれつきの場合や、眼鏡で矯正しても位置がまっすぐにならない時は、手術をした方がよいでしょう。

●外斜視
黒目が外側に向いている状態を外斜視といいます。
外斜視のなかでも、特に有名なのが「間欠性外斜視」です。遠くを見るときや、ぼんやりしているときに、片目が外側にずれてしまうものです。普段はきちんとした方向へ目が向いているので、視力は普通に発達します。また両眼視機能も比較的良いので、急いで手術をする必要はありません。(ただ、目立つ場合や常に 位置がずれている場合には手術をした方がよいでしょう。)

*両眼視とは?
両眼視とは、両目で見たものを脳でひとつにまとめる働きのことです。

●偽内斜視
偽内斜視は、赤ちゃんに見られる症状です。赤ちゃんは鼻が低くて根元がしっかりしていないので、両目の間が広くなっています。その結果、白目の内側が見え なくなり、外見上、内斜視のように見えます。しかし、成長するにしたがって鼻の根元がしっかりしてくると自然と治ってしまいます。偽内斜視であれば、目に は何の異常もありません。

注意:斜視には、大きな病気が隠れている可能性があります。斜視の疑いがあるときは、念のために眼科や小児専門眼科に相談した方がよいでしょう。


内斜視
片方の目が内を向いている



外斜視
片方の目が外を向いている




上斜視
片方の目が上を向いている



下斜視
片方の目が下を向いている
●斜視の調べ方
斜視は両目の向きが異なるので、よくみれば誰でもわかります。また、物が見にくいために、首を無意識のうちに傾けていることがあります。早めに治療しない と弱視や両眼視異常を引き起こしますので、こまめにチェックするようにしてください。(特に小さな子供さんをお持ちのご両親は、要チェックです。)
クリニックや病院では主に視能訓練士が検査を担当します。

●斜視の治療の仕方
斜視の原因や状態によって治療方法は異なりますが、メガネ矯正、点眼薬、手術のいずれかになります。
遠視の場合 めがねの常用により、遠視を矯正します。場合によっては、目薬で調節することもあります。
斜視は幼少時から経過の長い病気です。1度や2度の診察で、診断や治療のできる病気ではありません。長く通院できるクリニック、病院を探してください。その際には斜視弱視の専門の検査員・視能訓練士の常勤する施設をおすすめします。必要に応じてその施設から斜視の専門眼科医を紹介することもあります。